ハウスメーカーで家を建てた方の中には、「自分のところは特別な素材や
作り方をしているから普通の外壁塗装屋さんでは無理なのでは」と心配
される方もおられますが、そんなことはありませんのでご安心下さい。
ハウスメーカーが建材や工法を独自で開発しているケースもありますが、
私たちは1200棟以上の施工を通してあらゆる建材や施工方法を見てきて、
構造から理解して施工をしてきておりますので、ハウスメーカーで建てた
お家の施工も適切に対応させて頂きます。
サイディングというのは建物の外壁に使用する外壁材の一種で、現在、お住まいの外壁に最も多く使用されています。
タイルを1枚1枚張らなくても、写真にあるようなレンガ風やタイル風、木目調の外壁の家を実現できる外壁材です。
サイディング材は表面には耐候性の強い表面塗装、接続部には
防水シーリングが打たれていますが、その塗装やシーリングは永久的な
物ではありません。適切に定期的な点検をして、早めのメンテナンスを
行うことでサイディング外装材が長持ちし、建物自体の寿命を延ばす
ことができます。
基材やシーリングの劣化は時間の経過とともに少しずつ変化をしていき
ますので、経過ごとに状態を見極めることが大切となります。
経年による劣化によって、そり・うねり・ひび割れ(ヘアークラック)などが発生する事があります。
この程度であれば基材そのものの性能には影響はありませんが、建物の構造が原因で発生している場合には、
その原因を調べて根本から直す必要があります。例えば耐震に問題がありクラックが発生している場合や、
下地の間柱との釘打ち箇所が適正でなかったりする場合は、塗装の前にしっかりと直したいところです。
長年の自然環境の雨や紫外線の影響により表面塗膜は劣化が進みます。
表面のツヤが無くなったり、チョーキング現象(白い粉が付く)が現れると
サイディング基材の防水性能が低下します。これは自分でもできますので、
1年に一度程度、お庭に出た際などに目視での点検をオススメします。
塗膜面の点検は表面が白化(白く曇る)、変色、剥離などがないか、コケや
藻の汚れが発生していないかなど目視で確認できます。
洗浄が甘くコケなどが残っていると、数年後の剥離の原因となります。スマイルユウでは
塗替えの際は必ずバイオ洗浄クリーナーなどの専用洗剤を使って汚れを完全に除去しております。
シーリングも経年とともに劣化します。サイディング材が気温の変化に伴い
伸縮します。 その為シーリング材の伸縮性能が無くなると、ひび割れや接着
面の破断がおこります。また、シーリングが劣化し内部に雨水が侵入すると、
下地木材の腐りなどによりサイディングを固定している釘がきかなくなり、
基材の反りやうねりの原因にもなりますので注意が必要です。
一般的にシーリング材はサイディング材より寿命が短く、基材よりも早く
劣化するので定期的な点検で劣化現象の早期発見が大切です。
壁面の方角によって劣化の状態にもかなり差があります。当然、日当たりの良い南側や西側は
他の壁面に比べると状態が悪い場合が多いので、日当たりの良い面のチェックが大切です。
直接関係が無いような箇所の点検も重要で、例えば壁と基礎の間や手すりの
上部などに使われるアルミ笠木は、雨じまいの要となるので重要です。
特にジョイント部のパッキンや手すりとの合わせ部のパッキンなどが劣化
すると、内部に雨水が入ってしまうので要注意です。
また他の板金などの金属部も錆の影響でシール剥離などがおこる場合も
ありますので、特に鉄の付帯部は錆びの点検も行いましょう。
サイディング建物で雨漏りをしている可能性があれば、早めに雨漏り診断が
できる専門工事会社へご相談することをお勧めします。
モルタル塗り建物と違いサイディング壁内部に空間があるので、一度壁内に
雨水が侵入しても必ず室内に出てくるとは限らず、壁内部を通って建材が
水分を吸収し内部からの腐りの原因になりかねるので注意が必要です。
もしサイディング自体に水分が含まれているようであれば その水分率も調べる必要が
あり、限度を超えているようであれば部分的な貼り替えも考えなければなりません。
サイディング材はモルタル塗り外壁に代わって、建築建材の素晴らしい進化を遂げました。
そして近年そのサイディング建物のメンテナンスをする最盛期を迎えようとしていますが、
まだまだ正しいサイディングの外壁リフォームの情報が少ないことも事実です。
私たちはリフォームを行う会社として、しっかりとした知識と技術をもって
建物と向き合うことをお約束させて頂きます。
また、このページが外装リフォームをお考えの皆様に少しでも参考になれば幸いです。
サイディング外壁のデザイン性の違いは一目見てわかると思いますが、実は工法(貼り方)や材質などにも
違いがあり、工法(貼り方)や材質によっては、そのまま塗料を塗ることが出来ない場合があります。
スマイルユウは外壁の劣化状態に加え、以下のような点もふまえて的確に方法を選定し、施工しています。
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窯業系サイディングはセメントと繊維を混合した人工
の外壁材で、頑丈に感じますが反りなどを起こします。
金属系サイディングはアルミや鉄などを加工したもの
で今後増えそうですが、錆を防ぐ必要があります。
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サイディングの素材は大きく変化してきましたが、
昭和60年代の「抄造法」(ショウゾウホウ)で作ら
れた、内部結露の影響を受けやすい製品は特に注意が
必要で、その材質を見分ける知識も必要になります。
- 外壁通気工法は内部の結露の湿気を逃がせられる仕組 みなのに対し、直貼り工法は逃げ場がないため、塗装 をすると水分を閉じ込め、問題につながる可能性が あります。まずどちらの工法か必ず確認が必要です。
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塗料はこの10年、20年の間で大きく進化しており、
塗り重ねるトップコートの種類などの特性の理解や
選定も重要になっていますが、スマイルユウでは
塗料の勉強もしながら最善のものを選択しています。
材質のみならず塗料や塗装方法や原材料も様々で、当然塗替え工事を
行う際には外壁塗装についての豊富な知識が必要になります。
サイディング材自体に問題があり塗装出来ない場合や、表面に
塗られている塗装の材種の違いにより塗替えが出来ない場合があり、
きちんとした知識が無ければ正しい判断ができません。私たちは
知識をもって現場にてしっかりと判断をし、施工をさせて頂きます。
多色サイディングとは、色のみではなく、表面もフラットではなく凹凸形状で、
レンガタイル調や石目調などとてもデザイン性に優れたサイディングを指します。
今までの「塗装」ではなく次世代型のインクジェットで色付けをして作られており、
その上にクリアトップコート仕上げがされています。
そのため、多色サイディングは表面を保護しているトップコートがダメになってしまえば、
塗装で塗り替えて再度同じデザインを実現するということができません。
一般的な外装リフォームと違い、その多色彩のデザイン性を生かすのであれば、クリアトップコートが
完全に劣化する前に外装クリアトップコートを塗り替える必要があり、10年以内が目安となります。
・チョーキング現象(塗膜の劣化) ※クリアの場合は一般塗料と違い手に白い粉は付きません
・微細クラック(基材の劣化) ※30倍スコープによる調査が必要
・反り測定(基材の劣化) ※隙間測定器による調査
などの調査を行い現在の塗膜の状態を判断します。
外壁塗装工事からの側面から見るとこの2つはあまり関係が無いように思えるかも
しれませんが、建築士の立場から建物全体を考えると、とても大きく関係しています。
地震により倒壊する建物の原因は4つで、
①壁量の不足、②壁バランス、③接合部、④建物の劣化 となります。
サイディングは外壁材自体が耐力壁の役割をしているので、
その状態をいかに保護するかが建物全体の強度に関係してきます。
また、サイディング内部の結露から発生する基材の変形や塗膜の剥離などによる
基材の劣化も同様に建物の耐震強度に影響を与えているため、サイディング外装
リフォームを行う際はその関係性にも配慮し施工を考える必要が大いにあります。
サイディングはデザイン性、耐久性、機能性どれを取っても数年前よりとても良くなっており、
近年塗替え時期を迎えている10~20年前に建てられたサイディングより進化したものとなりますが、
近年のサイディング材のメリットを従来のモルタル塗り工法と比較してお伝えします。
サイディング外壁 | モルタル塗り工法 | |
---|---|---|
耐火性能 | ある:標準14mmの厚さ | ある:15mm~20mm程度の塗り厚 |
品質 | 安定:JIS規格により安定している | バラつき:現場の左官職人さんの技量により品質が左右される可能性あり |
施工性 | 良い:大工さんが外装建材として工事でき、モルタル塗りより工期がかからない | 悪い:左官工事と塗装工事の現場施工の手間がかかる |
コスト | 安い:工場製造で完成品として納入し、現場での施工が少ないため | 高い:現場作業が増えるため |
デザイン性 | 良い:多色プリント性能が向上し表面の凹凸と合わせ本物に近い風合いを表現 | 低い:面に塗る塗料の種類により変わるがサイディングほど種類はない |
ここまでだとサイディング材の方がとても優れているように思われがちですがそうでもありません。
私が考えるサイディングのデメリットは以下の通りとなります。
頻度について
近年サイディング自体の品質も安定してきましたが、実はサイディング外装は基材以外の付帯材にも
大きな影響を受けます。特にジョイント部のシーリング材は基材に比べると耐久年数が短く、防水性に
影響を及ぼします。シーリングがダメになると雨漏りしてしまうのです。
そのシーリング材の種類によっても違いはありますが、モルタル塗り建物はシーリングによる雨仕舞が
ほとんどないのでサイディングに比べると頻度は高くなります。
1回の費用について
塗替えの費用で比べると、モルタル塗り建物では古くなるとそれなりに「ひび割れ」が発生し
その下地処理が必要になりますが、さほどではありません。
それに比べサイディング外壁はほとんどのケースで目地や窓周りのシーリングの打ち替えが必要になり、
費用的にも一般的な戸建て住宅で15万円~20万円程度かかります。
多色サイディングについて
多色サイディングの塗り替えの場合、かなり早い時期にメンテナンスを行う場合は
クリア塗装で高意匠の多色デザインが保存できますが、
10年以上経過し劣化やチョーキングが発生している場合は色塗りになるので、
今までの多色デザイン性が無くなり見た感じもシンプルな状態になってしまいます。
現在多くのサイディング建物で問題になっているのが「直貼り工法」と「通気工法」による大きな違いです。
ほとんどのお客様が自宅のサイディング外壁がどちらの工法で施工されているのか知らないのが実情です。
そしてその状況によっては塗替えをすることが出来ず、最悪の場合貼替えをしなければならないケースも
あります。またその貼り方工法をしっかり調査をしてから塗替えをしないと、
塗替え後の数年で塗膜が剥がれるなどの現象になることも多々あります。
そしてその調査も専用機器や最低限の知識がないと明確に調べられないので注意が必要です。
どんな塗料が良いかはサイディングや基材の状態によって変わってきます。
直貼り工法の場合はサイディングの内側で結露が発生し、その水分をサイディングが
吸収するとサイディング自体のソリや塗膜剥離の可能性があるので、
弾性系の塗料を避け断熱性に優れたガイナ塗料をお勧めします。
近年標準工法とされている「通気工法」で施工されている場合やサイディング基材に
問題がない場合は、防水性能が高くて、耐久性の強い塗料が良いです。
材料としては、スーパームキコートやフッ素系の塗料がお勧めです。